浴衣の着付け
浴衣は着物よりも着付けが難しくなく、それでいて着物のような艶やかさを楽しめる点で大変人気があります。浴衣が広く庶民に広まったのは江戸時代です。江戸当時の粋な女性のように美しく浴衣を着こなしたいものです。ゆかたの粋さは清潔感にあります。縫い目が真っ直ぐになっている着こなしが先ず大切です。とはいえ、浴衣はあくまで部屋着、日常着として着るものですから、心をゆったりと解放し、それに布をまとうという感覚でかまいません。こうした少し力のぬけた感覚が浴衣独特の空気をまとうような清涼感をうみだします。
特に美しいのは首筋。ゆかたの衿を合わせたら、首を上下左右に動かしてみましょう。こうしてアゴがどこにも衿に当たらなければ、首筋に色気のある着こなしが出来る筈です。胸元もゆったりと着て、少々のシワや、タルミを気にしないこと。あくまでもゆらぐような空気感を演出するようにしましょう。ただし裾だけはきっちりと合わせるのを忘れないこと。ゆかたは素肌に着るもので肌襦袢や下着は一切着けません。そのため素肌の上から着た時、「自分が裸である」という不安感があります。この不安感が手を動かしたり、足を運んだりするときに自然に美しい仕草となって現れるわけです。
衿合わせをつめ、深くあわせる。体にあわせてきちんと補正する。こうした基本を忘れては美しい着こなしはできません。粋とはいってみれば少し気だるい上品さ。品格をなくすような着方は厳に慎むようにしましょう。
全体的な形としては、逆三角形になるようにするのがおすすめです。肩はすこしゆったりめに布をあて、まとうような空気感をだしましょう。逆に腰から足にかけてはきちんと布をあて、上から下へとすぼむような形を意識するときれいな逆三角になります。粋な着方のひとつです。
また、ゆかたは素肌に着るので、足もむろん素足でなければなりません。普通の着物より短めに着て、足首がすっきり見える所が、またゆかたの粋さを表現する部分でもあります。
ただ、大切なことは粋に着ようと頑張ることではありません。着る人の体にゆかたをそわせていこうという心の優しさのある着つけこそが自然に風情の出る着こなしとなるのです。ゆかたは何回も着る、ということがゆかた姿を粋に見せる一番早道でコツでもあります。ゆかたが思い通りに着こなせるようになったら、もう他の着物の着こなしは楽なもの。ゆかたこそ、きもの通になる早道なのです。